最終更新日 2025年8月6日
1,家の耐震化は早めに取り組む必要がある
地震に備えておきたいことの中で、重要なものの一つに家の耐震化があります。
日本古来の工法で作られた建物の中には、五重塔のように耐震性が高い建物もあります。
でも、特別な工法を用いて建てられていない一般的な住宅の中には、大きな揺れとともに倒れる可能性がある建物が存在していて危険です。
当時考えられていた地震の被害予想は、十分ではなかったからです。
阪神大震災のときも古い基準で建てられた建物が倒壊し人々の命が危険にさらされたり、逃げ道が塞がれてしまったりしています。
いくつか大きな地震を乗り越え問題なく暮らせていると、大きな地震がきても大丈夫だと考えてしまう人たちがいます。
でも家は、建てられた瞬間から劣化が始まることを忘れてはいけません。
古い建築基準で建てられているということはそれだけ劣化も進んでいますので、次の地震に耐えられるかはきちんと診断を受けなければわからないことです。
これまで大丈夫だったという自信は、とても危険です。
自分や家族だけでなく、近隣に住んでいる人の命も脅かします。
大きな地震があったとき、補強さえしていれば隣の家を潰すことがなかったのにと後悔しても仕方ありません。
大丈夫だと思えるうちにきちんと診断を受ければ、補強にかかる費用も少なくて済みます。
早めに家の不具合を見つけて、耐震化に努めましょう。
2,建物は定期的に点検を受けておくと安心
建物の劣化は、建築会社や大工さんリフォーム会社、耐震専門の㈱キーマンなど、建物に関わる会社の人たちがチェックできます。
しかし地震に耐える事ができるかは、専門の資格を取得していて、知識と技術が備わった診断士でなければ正確に判断できません。
各市町村などの役場で診断士を紹介してくれたり、費用を補助したりする制度を実施しているところもあるので、利用するとよいでしょう。
診断士の紹介はいつでも行なってもらえますが、補助や助成といった制度は年度ごとに限度額があるため、早めに申し込まないと利用できない場合があるので注意が必要です。
きちんと診断を受けて問題がなかった場合でも、5年や10年経過すればわからなくなります。
日頃から外壁や屋根の劣化に注意しておきましょう。
家以外でも、門や塀など崩れる恐れがある建造物は定期的に点検を受けておくと安心です。
診断を受けて建物に問題があったとき、どこに改修工事を依頼するかも考えなければなりません。
診断士を取得する多くの人は、元々建築に携わる会社に勤めていることが多いので、そのままお願いしてしまった方が楽です。
悪い場所を把握しているのですから、スムーズな着工に繋がるでしょう。
でも診断士の技術が高くても、会社の施工技術も高いとは限りません。
大手の会社であったなら、地元の工務店や大工さんに依頼するより、工事費用が高い可能性だってあります。
とりあえずは改修の設計と見積書の提出はお願いすることにしても、必ず他の会社からも見積もりをもらい比較しましょう。
そうすれば、不当に高額な見積もりを提出されるリスクを減らすことが可能です。
3,耐震改修にかかる費用の見積もり価格は比較して決めた方が良い
ネット上にも、耐震改修にかかる費用の目安金額が掲示されています。
重い瓦を軽くして落下や家が潰れることを防ぎたいとき、屋根の改修に1平方メートルあたり2万円前後は必要で、土台の改修は1mあたり5万円前後などと書かれています。
この費用の目安は、まさに一般的な平均価格で何より平時であるときの金額です。
日本は地震だけでなく、豪雨や暴風など多くの自然災害が発生する可能性がある場所です。
どこかで甚大な被害が発生すれば、そちらの復旧を急ぎます。
資材の不足が起きると価格が高騰しますし、職人さんが復旧応援に行って人手の不足が起きることも考えられます。
その時の情勢によってかかる費用は全く異なってくるので、見積もりの価格がネットの目安より高いからと行って悪質な会社だとは限りません。
将来建て替えの予定があると改修にお金をかけたくありませんが、今の安全が保たれないのは危険です。
部分的に筋交いを入れるとか、部屋の一部だけをシェルター化する方法だとそれほど費用がかからず安全性を保つことができるので、施工会社に相談してみましょう。
もう倒壊する恐れがあるほど建物が弱っているときには、仮住まいを確保し、解体を先に済ませた方がご近所に迷惑をかけませんし、家族の命も守れます。
どの順番で改修を進めれば良いかは、実績がある施工会社がベストな提案をしてくれますので、一人で悩まずに積極的に相談をしましょう。
マンションの場合、勝手に改修を進めることがNGな場合があります。
購入したマンションの内装ならある程度は自由にできますが、外壁や共有スペースなどに問題がある場合、管理組合などに相談が必要です。
積立をしているお金から耐震改修費用を払う場合もありますので、きちんと話し合いましょう。