最終更新日 2025年8月6日
迫幸治氏が代表取締役社長執行役員を務める全保連株式会社は、2001年11月に設立されました。
本社は東京都新宿区と沖縄県那覇市にあり、事業内容は家賃債務保証と賃料管理リスクヘッジ業務です。
入居者が家賃を滞納してしまったときに、大家に対して保証をするサービスを提供しています。
国土交通省の平成28年の資料によれば、賃貸借契約の約6割でこのサービスが利用されているそうです。
家賃債務保証と連帯保証人の利用割合は半々くらい
利用は増加中なのですが、その背景には高齢単身世帯の増加や人間関係の希薄化が関係しているようです。
他の保証方法としては、連帯保証人があります。
平成26年の段階で家賃債務保証と連帯保証人の利用割合は半々くらいです。
高齢化には歯止めがかからないですから、家賃債務保証が増えていくと予想されます。
そしてインターネットの利用も増えるでしょうから、人間関係の希薄化も懸念されています。
こちらも家賃債務保証増加の要因となりそうです。
利用割合の伸びを見るかぎり、このサービスは将来性があります。
全保連株式会社も成長が見込まれる会社といっていいでしょう。
協定を結んでいる不動産会社の数は2020年の時点で、約4万6千社です。
全国の不動産会社の総数は12万3千くらいですから、3分の1以上の会社と協定を結んでいる計算になります。
結局のところ協定を結ばなかった会社も多数あるでしょうから、全保連株式会社は不動産会社のほとんどが知っている存在といっても過言ではないでしょう。
年間の申込件数は2019年度がおよそ41万4千件です。
1日千件以上の申込みがくる計算です。
それだけ家賃債務保証が一般的な金融サービスになったということです。
もっとも保有人数が多いのは貸金業務取扱主任者
ちなみに東京都の平成30年における駐停車違反検挙数が4万6千件程度です。
都心在住者は頻繁に検挙の光景を目にすると思いますが、その10倍近い件数が申し込まれているのです。
そして累積の保証件数は2020年の3月までに約264万件です。
設立から20年近く経っていることを考えると少なく感じるかもしれません。
しかし設立当初は家賃債務保証が今ほど普及していませんでしたら、妥当な数字と考えられます。
社員数はおよそ740人ですが、そのうち資格を持つ人数を公式ホームページで公表しています。
もっとも保有人数が多いのは貸金業務取扱主任者です。
この資格は国家資格であり、2010年から認定が始まりました。
消費者金融やクレジットカード会社、信販会社などはこの資格を持つ人が在籍する必要があります。
試験は1年に1回で、全国17地域で開催されます。
平成30年の合格率は31.5%でした。
宅地建物取引士
次に多いのは宅地建物取引士です。
現在の名称になったのは2014年であり、その前は宅地建物取引主任者や宅地建物取引員と呼ばれていました。
取引先である不動産会社の社員がよく保有している資格です。
同じ不動産系の資格では、定期借家契約アドバイザーや賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスターなどの有資格者がいます。
難関資格として有名な弁護士も2人います。
難解な法律の関係するサービスを提供していますから、社内にエキスパートを配置しているのかもしれません。
上記以外にもさまざまな資格を持つ社員がいます。
弁護士資格を持つ社員がいますが、顧問弁護士を設けています。
個人が1人と法人が2つで、他にも税理士法人と社労法人と顧問契約をしています。
日本賃貸保証とオリエントコーポレーション
全保連株式会社が設立される6年前の1995年に、家賃債務保証がスタートしました。
始めた会社は日本賃貸保証とオリエントコーポレーションです。
それから代表取締役が沖縄県那覇市で創業し、2003年に福岡、2004年に広島に支店を設立します。
普通では考えられないスピードの拡大ですから、サービスがすんなりと社会に受け入れられたと考えられます。
2006年には累計の保証件数が10万件を突破しました。
その後も成長を続け2010年に50万件、2013年に100万件、2015年に150万件と急拡大を遂げました。
上記の高齢化と人間関係の希薄化が進んだ結果と解釈することも可能でしょう。
東京にも本社を設置して、2拠点展開を始めたのは2010年です。
この会社の成長のスピードは社員の採用にも影響しているようです。
即戦力を必要としているためか、新卒と中途の割合は1対9です。
全社員の男女比は6対4ですが、新卒採用の男女比1対3となっています。
女性にとって働きやすい会社を目指しているのかもしれません。
その証拠に採用ページでは働き方に関するさまざまなデータを公表しています。
まとめ
年間の休日は124日で、平均残業時間は月20日です。
有給取得率は77パーセントで、52パーセントの全国平均を大幅に上回っています。
産休育休取得率は94パーセントです。
そして障害者雇用率は3.2パーセントであり、法定雇用率の2.2パーセントを超えています。
社員が働きやすい環境を積極的に作っていると様子がうかがえます。