最終更新日 2025年8月6日
▶️地震のメカニズムと対策
地震とは、地面の下にある断層が激しく動くことで起こる振動のことを言います。
私たちが暮らしている地上の下には、断層と呼ばれるものがいくつも張り巡らされています。
断層の大きな塊のことをプレートと呼び、地球はこのプレートが重なり合うことで成り立っているのが特徴です。
驚くべきことに、全く動かないように見えるプレートでも実は動いています。
普段はゆっくり動いているため、地上にいる私たちにもあまり感じられません。
ところがその少しずつ溜まった動きによるエネルギーが一気に暴発することで、プレートも激しく移動して地震となるのです。
地下のどの部分で起こるかによって、2つの種類に分けられます。
1つはプレート同士の間で起こるプレート間地震です。
地球の表面は複数のプレートから成り立っていますが、それぞれがぶつかりあう際に大きなエネルギーが発生し地震となるというものです。
このタイプの場合、震源はそれほど深くありません。
そのため振動が大きく地上を震わせることが多く、日本で感じられるものはそのほとんどがこのタイプと言えるでしょう。
もう1つのタイプは、プレートのさらに奥深くで起こるものです。
日本は地震が多い地域と言われるのは、日本がちょうどプレート同士が重なり合う場所に位置しているからです。
真下には北アメリカから伸びているものとユーラシア大陸から来ているものとがぶつかり合っており、さらにフィリピン海、太平洋と4つの境界が存在します。
そのためぶつかり合いが発生する頻度が非常に多く、他の地域に比べると被害を受けやすいと言われています。
▶️前もって知らせてくれる速報を活用する
このように頻発しやすい地域にあるだけに、もしもの時に備えて何らかの準備をしておくと被害を最小限に留めることができます。
そのためにも活用したいのが速報です。
気象庁が緊急時に発表しているこの速報は、日本全国を200の地域に分割し、起こりそうな場合に前もって知らせてくれるのが特徴です。
いつどこで、どれぐらいのマグニチュードのものが発生するのかを教えてくれるため、防災や避難にとても役に立ちます。
テレビを見ていると、余地が発表されたときにすぐに表示してくれるので便利です。
他には携帯電話へのメールや、スマホアプリなどを活用すると良いでしょう。
私たちが普段目にしている自然現象から、発生を前もって予想することも可能です。
テレビや携帯電話が使えない地域にいる時に役立つので、その見分け方について覚えておくことをおすすめします。
まず地震雲と呼ばれるものです。
これは大きな揺れが発生する直前に現れる独特の形をした雲のことで、被災後に思い返せばあのとき変わった雲があるのを見たという人が多いことから、経験則として昔から活用されてきました。
自然科学とは何ら関係がないと言われているものの、実際に大きな揺れの前に見たことのない不思議な形状の雲が見受けられるのは事実です。
地形や気象条件に通常とは異なる現象が発生していることも考えられるため、空を見て怪しい形状の雲を見つけたときには何らかの準備をしておいても無駄にはなりません。
▶️地形や気象条件、動物の変化や行動をシグナルにする
動物による異常行動も前触れとして知られています。
動物は人間よりも感覚が鋭く作られており、私たちが感じることができない変化にも敏感に反応することができます。
実際、過去の大きな揺れがあったときにも、動物が変わった行動を見せたという報告は多く、被害を防ぐ準備をするためのシグナルとして活用できるはずです。
よくあるのが、飼っているペットが興奮するというものです。
急に吠えるのをやめなくなったり、同じところを何度もぐるぐる回る、さらにはいつもと違う場所で固まって動かなくなるというものがあります。
ペットを飼っている方であれば普段の行動を見慣れているだけに、最も変化を察知しやすいと言えるかもしれません。
ニュースなどでクジラやイルカが座礁して打ち上げられるのを目にすることがあります。
実はあれも前触れの一つで、クジラなどは超音波を使ってコミュニケーションを取っているため、地磁気が変わることから方向感覚が狂い座礁してしまうと考えられているそうです。
では、実際に揺れが始まったときにはどのような行動を取ればいいのでしょうか。
地震がきたら早めの避難を心掛ける
屋内にいる場合は、机の下のような落下物があっても怪我をしない場所に隠れるのが安心です。
タンスやテレビといった重量物が倒れてくる恐れもあるため、できるだけ頑丈なものを選んで身を隠しましょう。
屋外で揺れたとき、ビルのそばにいると非常に危険です。
上層階で割れた窓ガラスが地面に落下してくるからです。
すぐに高い建物から離れるか、耐震性の高いビルの中に避難するのも一つの方法です。
近年、その重要性が叫ばれているのが、進んで避難するということです。
人間は大人になるほど避難行動を起こすのを恥ずかしいと感じてしまいます。周囲が避難していないから大丈夫だろうと勝手に判断してしまうためです。
ところがそうした習性が仇になって、東北地方の震災のときには多くの人々が避難せずに津波に飲まれてしまいました。
何が起こるかわからない自然災害だけに、早めの避難を心がけるようにしましょう。