最終更新日 2025年8月6日
前田裕幸氏が考える建設会社とは
建設会社は大きく成功できれば自らの代で相当な財産を築くことができます。
そして息子や娘、娘婿などが引き継いでくれればそのエリアでは有名な存在になるなど建設会社はそれだけのポテンシャルを秘めています。
ところが、景気に左右されやすい業界であることも言われており、成功できる人は一握りとされている他大手ゼネコンの下請けなど自力ではなかなか経営していくのは大変な状況になりやすいです。
そんな中で建設会社として成功を収めるにはいくつかの要素が必要です。
それを兼ね揃えることで大きな成長が期待できます。
成功するための方法として挙げられるのがお金の管理です。
起業する以上はお金の管理は当たり前に思えることですが、建設会社を起業する人の多くは叩き上げの職人であり、お金の管理をあまりしたことがない人たちです。
そうしたこともあってか、建設業界ではどんぶり勘定で行われることが多く細かな計算に無頓着な人が多いです。
しかし経営をする以上、どんぶり勘定でいいはずがありません。
そのためお金の管理はいわば必須です。
社長がもしそうしたものが苦手であれば、家族などを従業員として迎え入れ家族にお金の管理をさせることをおすすめします。
お金の管理は誰が行うのが良いか?
ただ社長がお金の管理をすることに意義があります。
会社の経理を担当している人が会社の状態を一番理解していると言われるのは、お金の流れなどを細かく見ているからであり実際に帳簿にまとめているからです。
だからこそ、この部分が強いとか弱いというのがわかります。
数字に弱いからと家族に任せるのもいいですが、その家族は経理に詳しくても建設業界に詳しくない可能性が高いです。
知識もあってそれでいて専門的な分野にも長けていた方がいいに決まっています。
今は難しくても、いずれは自らもお金の管理ができるように知識をつけていくことが大事です。
次に建設業界そのものに詳しいことです。
叩き上げの職人であればそんなもんは容易いだろうと思いがちですが、意外と建設業界に関して知らないことが多いものです。
例えば女性に建設業界でもっと働いてもらうための施策が様々なところで行われていますが、叩き上げの職人はそうしたことを知りませんし、無理に女性を働かせることに疑問を感じる人もまだ多いです。
女性が働きやすい環境を整えることが本当に必要なのか疑ってかかる人もいますが、建設業界では力を入れている部分であり、多くの会社が女性が働きやすい環境というものを作ろうとしています。
建設業界全体の取り組みを知らない時点で建設会社で成功を収めようというのは無理な話です。
成功を収められる人はトレンドを察知して先回りするように様々なことを始められる人です。
変化をすることに恐怖心を抱かない人がとても強いです。
そうした変化ができるかどうかも大事な要素であり、躊躇してしまう人は大きな成功はなかなか見込めないと覚悟しないといけません。
もちろん守りに守って成功を収めることもできないわけではないですが、それなりの技術が必要でありその技術を磨くことと信頼をつかむことは実に大変なことでもあります。
職人を認め対価をきっちりと出すこと
叩き上げの職人が建設会社を起業した場合の注意点はその程度ですが、反対に職人ではない人が起業を目指した場合には職人の扱いが大きく左右します。
職人は手に職をつけた人たちであり、別にそこまでなくても別の会社に行ったって構わないと思っています。
義理があるからそこで働くものの、それがなければここで働く必要がないと言わんばかりの態度をとります。
大事なことは職人を認め、対価をきっちりと出すことです。
これさえしておけば、もし事業の拡大をしていく時でも多少の無理でも聞いてくれるようになります。
職人は与えられた仕事を全力でこなすことが求められますが、経営者はその職人を正当に評価するのが仕事です。
特に社長があまり現場に出てこない人だとすぐに不満が高まります。
その不満は細かなこと、些細なことで爆発してしまうため、経営者からすればたかがそんなことでなぜと思ってしまいます。
実際は不満が積もり積もっただけのことであり、それを見逃してきた経営者に問題があります。
成功を収めるには常に職人を評価するだけでなく、現場に出て激励をすることやちょっとした気配りを見せることが求められます。
それさえしておけば仕事をこなしてくれます。
建設業界は義理が大切と前田裕幸氏はいう
あとは営業をしっかりとこなす、納期を守るといった当たり前のことを重ねていけば成功はつかめます。
建設業界は義理が大事であり、狭い業界でもあるため不義理の事実がすぐに知れ渡ります。
感情を優先して仕事をする人も意外と多いため、自分の首を絞める結果になることもあります。
成功を収めるには技量を高めていくことだけでなく、職人を信頼することや自らがお金の管理を徹底することも必要です。
許認可が必要なものだからこそ、どんぶり勘定ではいけません。
経営者としてのプロの仕事、職人としてのプロの仕事をお互いにしていくことが重要です。