最終更新日 2025年8月6日
❶募金詐欺を働く人々
街頭に立ったり各家庭を訪問したり、ホームページやSNSなどで呼びかけて募金活動をしている人はたくさんいますが、その中には実際に起こった災害などに便乗をしたり難病の子供を助けるためと称して募金活動をした末に、集まった金品を自分たちのものにするという募金詐欺を働く人がいるのです。
募金や寄付をする人たちは、募金活動をする理由に対して同情をしたり応援をするために自分のお金を使ってもらおうという良心から募金をするのですが、その良心に漬け込んで人のお金をだまし取ろうとする人がいるわけです。
また詐欺をする本人でないにしても募金活動をしてお金を集めることを目的としてアルバイトを募集し給料をもらうために街頭に立っている人もいるのです。
今までの事例として、大阪で難病の子供を支援するために募金活動を行っていた任意団体の主催者と代表者が逮捕される事件がありました。
大阪の街の真ん中で数人の若者がおそろいの服を着て募金活動を行っていましたが、集まったお金の使い方などを聞いてもきちんとした回答が返ってこなかったことを不審に思われはじめ、その活動がマスコミで問題視されたことをきっかけに突然活動をしなくなって姿をくらましたということでした。
結局虚偽の広告でアルバイトを雇いこのような募金活動をさせていたということで「職業安定法違反」の罪で逮捕され、さらに通行人から2000万円をだまし取ったということで再逮捕されたのですが、この偽の募金で集めたお金は4000万円以上にものぼり主宰者の株取引のために使われたとみられています。
また同じ大阪でおそろいのオレンジ色のジャンパーを着たグループが、難病の少女を救うためということで募金活動を行っていましたが、とてもボランティアやチャリティーで行っているとは思えないような長髪や無精ひげ姿を見て多くの人が不審がっていたところ、この5人組は逮捕されたということです。
(参考)親族女児の難病「金儲け」に利用する〝人でなし〟 あの街頭募金は詐欺だった
さらに難病の少女を救うとしてその少女の家族の承諾の元募金活動を行っていたにもかかわらず、1000万円以上のお金が集まったのですが、実際に父親のもとに届いたのはたったの13万円だったという話もあります。
❷義援金募集と称した振り込め詐欺も・・・
日本中の誰もが知る最近の災害に東日本大震災や西日本豪雨災害などがありましたが、それらの義援金を集める活動が活発になるにつれ、義援金募集と称して振り込め詐欺のようなことをしていた人が多発しました。
それには金融庁も「ボランティア団体を名乗り電話やファックスで講座にお金を振り込ませたり、公的機関と間違えるような紛らわしい名前をかたり電話でお金を振り込ませようとする詐欺があるので、義援金を振り込む前に振込先がテレビや新聞で公表されているものであるのかを確認したり、わからない場合は警察や金融庁本部に電話をして情報提供や相談をするように」という呼びかけをしたほどです。
これらのように偽の募金活動で詐欺を行う人が出てきて、それが周知されるようになると、良く知られるボランティア団体ではなく、本当に募金を必要とする難病の子供を抱える家族や友人などが行う小さな団体の募金活度も不審がられてしまい、お金を募ることができなくなります。
海外で移植を受けるための費用や渡航費、滞在費など一般家庭ではなかなか賄いきれない多額の費用が掛かるけれど、それでわが子の命が助かるなら、大切な友達が助けられるのならと必死に募金活動をする人たちも疑われてしまい、結局お金が集まらなければ治療を断念しなければならないということになるのです。
被災した地域で被災後何年も復興できずに困っているひとがたくさんいるにもかかわらず、そのための募金活動をしても不審がられ多くの助けを得られずにつらい思いをずっと強いられている人たちもたくさんいます。
❸どうやって募金詐欺かどうかを見極めるのか?
このように本当に助けを求める人たちを助けられないということにならないためにも、正しい募金活動に参加をしてお互いに助け合って生きていくことが大切です。
そのためには募金詐欺かどうかを見極める必要があるのですが、もし不審に感じたら募金活動をしている人に、「集まったお金はどこに送られてどのように使われるのか」ということを確認するようにします。
またチラシなどが配られれば、その団体と代表者、住所、URLなどがきちんと明記されているかを確認し、募金の目的をできるだけ詳しく書かれているかどうかを確認することも必要です。
有名な団体とよく似た名前を使っている偽の団体もあるので、実在の団体名と違うところがないかをスマホで検索して比較してみることもできます。
このようなことを確認したうえで不審に思った場合は、募金をするにしても被害を被らないような少額でとどめておくようにすることです。
災害時の支援や世界じゅうの子どもたちを助けるためなど自ら募金を使用する場合は、従来から募金活動をする大きな団体や公共機関、有名企業が行う募金活動に参加をすることで、本来の目的のために使ってもらうことができます。