最終更新日 2025年8月6日
「ブラニュー株式会社の業務内容を知りたい」
「建設業界に転職を考えているけど不安を抱えている」
「建設業界の問題点は何?」
どの業界にも問題点がありますから、勤める業界を選んでいる就職活動者や転職活動者は、それを詳しく把握することで業界選びが進むでしょう。
建設業界にも数多くの問題点があります。
公共構造物の建設も重要な役割の一つですから、日本に住む誰にとっても関係のある事柄と言えます。
目次
問題となっているウッドショック
現在問題となっているのはウッドショックです。
新型コロナウイルス流行の影響により、木材の価格が高騰しているのです。
新築の一戸建てやアパートの建設では最も使われる構造材であり、販売価格や販売数に影響を及ぼします。
高騰した原因は新型コロナウイルスの影響で米国の新築住宅需要が増加したことです。
日本でも住環境を見直した人が多いのと同様に、米国でも住替えや建て替えを選んだ人が多いのです。
日本で流通している住宅用木材の多くが、米国やカナダの針葉樹林であり、その需要に供給が追いつかないため価格が高騰するということです。
日本の新築住宅が以前よりも割高になったため、木造を扱う建設会社の業績に大きな影響を及ぼしています。
新型コロナウイルスの終息が見えないため、なかなか解決しない問題として残る恐れがあります。
高いうちに買ってしまって、後で後悔するのは私だって嫌です。
鉄筋コンクリート構造の品質に関する問題
大規模構造物の多くが鉄筋コンクリート構造ですが、そちらの品質に関しても問題点があります。
一般的な製造業とは違い、鉄筋コンクリート構造物の品質が確認しにくいのです。
橋梁やダムなどは耐用年数を60年などとしますが、本当にそれだけの耐久性を持っているか確認するのが難しいのです。
実際のところ、完成から20年や30年後に問題が見つかり建て替えることになった構造物が数多くあります。
他の業界とは違い、質の悪い商品を納めてもすぐに罰が与えられないケースが珍しくないのです。
手抜きや技術力不足があっても、それがまかり通っているのを日ごろ目にする若手はどうでしょうか。
自己研鑽をしていい仕事をしようと思う人は減ってしまうでしょう。
この問題点の改善点は難しいですが、検査などの充実によって少しずつ良くなっていく可能性があります。
私の経験に過ぎませんが、不正をしてもすぐにバレない環境だと、どんどん不正をする人が増えます。
いい加減な仕事をすればすぐに摘発されるようになってほしいです。
公共工事の入札制度も難しい問題を孕んでいる
建設業界といえば、公共工事の入札制度も難しい問題を孕んでいます。
上記のように一点物であり、高い技術力が必要です。
しかしただオークションのような形で安く工事をできる会社を募れば、安かろう悪かろうとなってしまいます。
それを避けたいならば、入札価格の最低ラインを設ければいいだろう、という発想で最低制限価格というものがあります。
これがなければ1円入札という事態にもなります。
このような制度の結果として、高い技術力を持つ会社が落札するのではなく、最低制限価格をうまく読んで入札した会社が落札することになっています。
建設産業には積算という仕事があり、工事に必要な材料や人員を計算していくのです。
それをうまくやればおおよそのラインを読めるので、最低制限価格が推測できるのです。
談合で公務員が逮捕されるケース
談合で公務員が逮捕されるケースはこの価格情報を漏らすケースが多いです。
海底トンネルに代表される難工事以外では、技術力の高い会社が高い報酬で仕事をすることにはなりません。
公共工事をするということは、住民の資産を形成することでもありますから、高品質なものを作れる企業が仕事を獲得できるようになってほしいと思います。
現在のシステムに加えて、新たなシステムが導入されるのに期待したいです。
建設現場は3Kと呼ばれる職場
ここまで建設企業の技術力の話がありましたが、その技術を継承についても問題点があります。
建設現場は3Kと呼ばれる職場であり、危険が伴います。
労働人口が減少している現在、わざわざ過酷な仕事を選ぶ若者が減っているのです。
かつて世界一とも呼ばれた日本の技術が継承されることなく、消えていっているという指摘があるのです。
明石海峡大橋や瀬戸大橋など、日本の建設業界が生み出した宝ともいえる構造物は技術力の結晶です。
テレビ番組でもその工事の精度について特集されたことがあります。
長大橋にも関わらず、センチ単位の誤差しか出さないのです。
それを支えていたのは、設計を担当する技術者や現場で工事をする職人です。
みな若いころに建設業界に入り、先輩の知識や技術を吸収してきたのでしょう。
それが次の世代に伝えられることなく消えていく事態になっているわけです。
まとめ
悲しい気持ちになる話ですが、他の業界でも同じことが起こっています。
伝統工芸や伝統芸能の世界で多く聞きます。
全部残ってほしいという気持ちが強いですが、無理なのはわかっています。
バトンを受け取る若者の数が大幅に減っているのですから、受け取り手が見つからないままになるバトンが出てくるのは避けられません。
各業界が若者獲得のために努力をするでしょうが、力及ばずに消えていくものは出てくるはずです。