最終更新日 2025年8月6日
ESCO事業は単なる省エネ事業ではない
ESCO事業は単に省エネを推進する事業ではありません。
省エネを実現するために様々な仕組みを効率的に整え、多くの人が気軽に参加することができるようにするための仕組みを整えることが主な目的となっています。
しかし具体的にこれらの内容に関して把握している人は少なく、単なる省エネ事業と捉えられている面も多いのが実態です。
その内容を適切に理解する事は自らが効果的に省エネルギー対策を行うことにつながり、さらに地球環境を保護する大きな目的にも貢献することにつながるため、十分に理解をすることが必要となります。
ESCO事業の基本的な考え方は、 省エネルギーを行うために必要な資材を全てサービスとして提供し、利用者に負担をかけずに具体的なエネルギーの省力化を実現する仕組みのこと です。
現在はエネルギーを効率的に利用するための様々な製品が開発されていますが、これらを自ら導入するためにはその初期費用がかかるため大きな負担となり、なかなか導入をすることができないケースも少なくありません。
特に目立つところでは太陽光発電のための発電パネルを設置する住宅や企業が増えており、これを用いることで太陽光と言う自然エネルギーを効果的に利用して発電を行うことで、従来の化石エネルギーやその他のエネルギーを利用した発電にかわり地球環境を保護するために大きな貢献ができると考えられていますが、これを実現するためには多額の初期投資がかかってしまうことになるためなかなか実現できないと言う問題があります。
特に企業では省エネルギーに対する様々な規制が法律で制定されており、その規制に満たない場合にはペナルティーが与えられるなど環境が非常に厳しくなっていますが、初期投資を捻出することができない企業にとっては非常に厳しいものとなっており、現実的にはなかなか実現できるものではありませんでした。
そのため自らの企業イメージや、単純な社会貢献のために省エネルギー活動を行おうとしても、そのための初期投資を捻出することができずに苦しい思いをしている事業主も非常に多いのが実態です。
エネルギーの効率化を図るメリットがある
ESCO事業はこれらの中小企業のエネルギーの効率化に対しても大きな貢献をする者として期待されています。
従来は自らの経費を捻出して必要な機器や仕組みを準備しなければならなかった部分を、基本的には初期投資不要で提供することですぐに実現することができ、簡単にエネルギーの効率化を図ることができるようになるメリットがあります。
またESCO事業を行う企業の中には金銭的な支払い形態を工夫し、実現する企業に対して大きな負担がかからないようにする仕組みを整えているところも多いため、中小企業や場合によっては家庭でもこれを利用することができるものとなっており、省エネルギー対策に大きく貢献するものとなっています。
ESCO事業のメリットは、単純にこの費用負担を軽減すると言うだけではありません。
基本的に太陽光発電など自然エネルギーを利用したエネルギーの生成は自然環境の状況によってそのパフォーマンスが変動するものとなっているため、導入を行ったからといって必ずしも利益を上げることができるものではありません。
しかし不安定な効果を得るために、かかる費用が無償ではあってもその運用管理やメンテナンスなどに費用がかかったり、大切な時間を割かれてしまうこともあるため導入時には十分に注意が必要となるものです。
効果が上がらない場合、リスクが高いものとなっている
ESCO事業では、導入費用がかからない上にその効果が上がらない場合には提供者が対策を行うことを義務付けるなど様々な工夫がなされているのがポイントです。
加えてこの事業では様々な場面に対応した適切な対処を行うことを求められます。
思うように効率が上がらない場合にはその見直しなどを無償で行うほか、天井に応じては適切なアドバイスをしなければならず、高い知識と豊富な資金力を持っていることが重要な要素となります。
さらに効果が上がらない場合の様々な経費のサポートなども十分に行うことが求められるため、リスクの高いものとなっている傾向が強いことも否定できません。
加えて最近では初期投資が不要である代わりに月額の負担が結果的には大きくなることになるため、実質的に様々な設備を割賦で購入したのと同じことになり、場合によってはリース契約と同じような提供形態となることもあるため利用者からはその実態が分かりにくくなってしまうと言う欠点もあります。
参考:エスコシステムズの口コミってどう?エコキュートや蓄電池を扱っている会社らしい
従来では節税対策に利用されることも多くなっていましたが、法律の改正によりこれらの設備はリースで提供されたものであっても購入したものとの資産評価の違いがないことになったため、税制面でのメリットが当初に比べ大幅に少なくなっています。
これらの様々な条件を十分に踏まえなければならないことから、その提供方針が見直される傾向も強くなっているのが実態です。